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TVアニメーション『ヴィジュアルプリズン』AnimeJapan2021 ステージレポート

ヴァンパイアたちが挑む
“ヴィジュアル系ライブバトル”の世界が
ついに紐解かれる――

「ヴィジュアル系は
日本が誇るべき音楽ジャンル、
そしてアニメーションも
日本が誇るべき文化。
そのふたつのすばらしさを
世界に伝えたい」

 去る2021年3月27日、アニメイベント「AnimeJapan 2021」にて「上松範康×A-1 Pictures×アニプレックス 新プロジェクト発表会」が開催された。これまで具体的なタイトルや内容が発表されていなかった本作。「あなたは歴史の始まる瞬間に立ち会おうとしているのかもしれません」というMC・吉田尚記のナビゲートにより、まずは本作の映像が披露された。
 そこで明かされたのは3つのユニットからなるキャラクターたちの名前とビジュアル、そして作品タイトル――『ヴィジュアルプリズン』。
 『うたの☆プリンスさまっ♪』、『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズで知られる原作・音楽プロデューサーの上松範康が登壇し、この謎に満ちた作品に込めた想いを語った。
「すべてのヴィジュアル系アーティストがもしヴァンパイアだったら。それが物語の根本の発想です。ヴィジュアル系という音楽は、メロディがすばらしい日本が誇るべき音楽ジャンルだと思っています。そして、ヴァンパイアは不老不死で制限が多く、人に憧れている。そういう要素を掛け合わせたとき、新しい物語が生まれるのではないかなと思いました。このファンタジーの世界をA-1 Picturesとアニプレックスのお力をお借りして作り上げたいなと思っています」
 続いて10人のキャストたちがステージに姿を現した。
 まずはユニット・O★Z(オズ)のメンバーが登場。結希アンジュ役の千葉翔也、ギルティア・ブリオン役の古川 慎、イヴ・ルイーズ役の七海ひろき、ロビン・ラフィット役の堀江 瞬の4人が壇上に集まった。続いてユニット・LOS†EDEN(ロストエデン)のメンバーが顔を見せる。サガ・ラトゥール役の江口拓也、ミスト・フレーヴ役の島﨑信長、ヴーヴ・エリザベス役の永塚拓馬、ジャック・ムートン役の矢野奨吾がそれぞれポーズを決めてステージへ。最後にユニット・ECLIPSE(イクリプス)のディミトリ・ロマネ役の増田俊樹、ハイド・ジャイエ役の蒼井翔太が登壇した。
 ここでそれぞれのユニットについて原案を手掛ける上松とキャスト陣で語り合うことに。
 まずは「誕生、永遠の新星群」というキャッチコピーの通り、物語の中で結成されることになるフレッシュなユニット・O★Z(オズ)――。
「主人公格のユニットです。すばらしいメロディを紡いできた『ヴィジュアル系の歴史』を思い出させるような音楽性をO★Zの楽曲に込めています。それを僕が現代的に解釈しているので、ぜひ楽曲を楽しみにしてほしいです」
(上松)
「アンジュという少年は自信のある表情をしているんです。僕の中では引っ込み思案な少年だと思っていたんですけど、ユニットのときはキメているなと。早くユニットの曲を聴きたいなと思っています」
(結希アンジュ役/千葉翔也)
「カッコいいですね。(二の線を演じなくてはいけないので)とてもプレッシャーなんですよ」
(ギルティア・ブリオン役/古川 慎)
「ビジュアルを初めて見た時に、美しいブルーがさわやかな雰囲気を訴えてきた感じがあって。美しいビジュアルにふさわしい役作りをしていきたいと思います」
(イヴ・ルイーズ役/七海ひろき)
「オーディションのときに感じた彼(ロビン)のキャラクター性が、どこを見つめているのかわからない瞳に現れているなと思っていて。早く演じたいなと思っています」
(ロビン・ラフィット役/堀江 瞬)
 続いて、「本能剥き出しの肉食獣」というキャッチコピーのハードなユニット・LOS†EDEN(ロストエデン)――。
「“俺たちについてこい。俺たちが全てだろ、この世界のルールはすべてぶっ壊す”がLOS†EDENのコンセプトです」
(上松)
「見た目の治安悪いですね!ヴァンパイアとヴィジュアル系といったときに、ビジュアルを見て、やることは決まったなと。バチバチにぶつかって、ぶっ壊していきたいです」
(サガ・ラトゥール役/江口拓也)
「ほかのユニットに比べて、LOS†EDENはロゴから『いくぜ、オラ感』がバリバリにあって僕の中の中二イズムが騒ぎました」
(ミスト・フレーヴ役/島﨑信長)
「オーディションを受けたときはかわいらしい女の子のようなキャラクターなのかなと思っていたんです。でも、ビジュアルを見るとハードさもある。妖艶な印象があります」
(ヴーヴ・エリザベス役/永塚拓馬)
「ジャックは見た目は子どもなんですが、絶対に何かあるだろうと、何か抱えているんだろうなと思っています。ミステリアスなので、とても楽しみにしています」
(ジャック・ムートン役/矢野奨吾)
 そして最後は「孤高のノブレス・オブリージュ」というキャッチコピーからも優雅さを感じさせるユニット・ECLIPSE(イクリプス)――。
「この『ヴィジュアルプリズン』で最も大事なことは”美しさ”。歌は美しさを表現されるためのもの。この世界の絶対的な存在がECLIPSEです。彼らの楽曲はオーケストラ的なシンフォニックロックのサウンドになっています」
(上松)
「ヴァンパイアらしい高貴な存在、伝承に伝わるヴァンパイアのイメージを受け継いでいる印象がありました。この作品の世界観を背負うような立場なのかなと思っています」
(ディミトリ・ロマネ役/増田俊樹)
「僕は個人的にどんな色にも染まれる白がすごく好きなんです。この白を背負う彼らが、どんな色に染まっていくのか。それとも、みなさんを染めていくのか。それが楽しみです」
(ハイド・ジャイエ役/蒼井翔太)
 主人公・結希アンジュ役は、演技だけでなくスタジオでの歌唱オーディションも行われ、その中から千葉が選ばれたのだとか。「オーディションの課題曲はハイトーンの楽曲なんですが、役者さんに物怖じしてほしくなかった。挑戦する気持ちを見たかったんです」(上松)
「ここでキーを下げたら負けだなと思って、泣きそうになりながら一ヵ月くらいずっと練習をしていました」(結希アンジュ役/千葉翔也)
「物語の中のアンジュは、すべてを乗り越えていかないといけない役。まさしく千葉さんのように歌ってほしかったんです」(上松)
 いよいよ作品が動き出す。すでに各ユニットのレコーディングは始まっているという。オンエアは2021年10月開始。ヴァンパイアたちが挑む“ヴィジュアル系ライブバトル”――その歌が聴こえるまで、あとわずかだ。