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「ヴィジュアルプリズン」第1話先行試写会レポート

ヴェールを脱ぐ、美しきヴァンパイアたちの狂宴。
キャスト陣も昂ぶる衝撃の映像とは――?

「一人ひとりが魂を込めて作っていることが伝わる、
エンターテイメント作品。
ここから〝伝説〟が始まったらいいなと思っています」

 2021年9月18日、ついに第1話先行試写会が行われたTVアニメ「ヴィジュアルプリズン」。トークコーナーにはO★Z(オズ)より結希アンジュ役の千葉翔也、ギルティア・ブリオン役の古川慎、LOS†EDENよりサガ・ラトゥール役の江口拓也が登壇。ニッポン放送アナウンサー・吉田尚記進行のもと、彼らもまた完成した映像を見た直後の興奮冷めやらぬ様子で、その見どころを熱く届けた。
 千葉が「人と関わるのは得意ではないけれど、歌うことへのあこがれや音楽を好きだという気持ちは誰にも負けない。純粋な熱量を持った少年」だと紹介したのは、主人公の結希アンジュ。両眼の色が違うことを指摘されると「おしゃれでカラコンを入れているのかも?」と冗談めかすも「ちゃんと意味があります!」と訴えた。そんなアンジュがあこがれるギルティア・ブリオン、通称「ギル」は、本編より以前に、ECLIPSE(初代)という名のバンドで一世を風靡した男である。古川は「ギルの『俺の想いはとうに尽きた……』という言葉が意味するものは何なのか? どんな登場をして、どう物語に絡んでいくのかぜひ楽しんで欲しい」と気になる口ぶり。一方、そんなギルと深い確執を持つサガ・ラトゥールを演じる江口は「見た通り治安が悪いですね。常に何かをぶっ壊したがっています」と笑わせながら「口数が少ない男なので、最初は『こいつ何なんだ?』というところがあると思いますが、話数を重ねていく中で、どんな人物なのか感じていただきたいです」とアピールした。また、そうしたキャラクターたちのドラマはもちろんのこと、期待を集めるのはやはり上松範康作品ならではの音楽の演出。第1話から、アフレコ時の想像を超える音楽の使われ方であったと3人は口々に絶賛する。
 O★Zのユニット曲「残酷シャングリラ」について「ヴィジュアル系と聞いてイメージするダークさよりも、真っ直ぐさの伝わる疾走感あるロックになっている」と評した千葉は、古川演じるギルの歌声を聴いてからレコーディングに臨んだことで「役とリンクして気持ちを込められた」と、古川に感謝を伝えた。アンジュの焦がれる思いが千葉の高音パートを引き出したとするならば、ギルが「一人だけ下のパートを歌っている」ことにも物語との重なりを感じているという古川。「アフレコを進めるごとに歌詞と内容が深く絡まって見えてくるものがあるので、今、振り返ってみると〝最初の一歩〟を踏みしめた曲だったんだなと思います。全部、見終わったあとにもう一度聞いていただけると泣けるかもしれませんね」と、愛おしそうに語った。通じ合う想いに笑みを交わす2人に対し、その穏やかなムードを打ち破るのは、江口の語るLOS†EDEN「BLOODY KISS」の苛烈さ。「逆に、ヴィジュアル系と聞いてまず思い浮かべるような激しさ」を抱いた楽曲だとし、中でもサガは「喜怒哀楽の〝怒〟が強く、歌うときは特に激昂が全開となる」キャラクター。「サガも『ぶっ壊す!』と言ってるし、僕自身も限界まで喉を壊しながら歌いました」と、本来であれば別仕事のために温存すべき領域を侵してでも全力でぶつからなければというエネルギーを感じた楽曲であったことを告白した。
 折しもこの日は、サガの誕生日。LOS†EDENのリーダーを務めるサガにちなんで「もし自分がリーダーだったら、どんなコンセプトのヴィジュアル系ユニットを作りたいか」というお題で盛り上がった。「超楽しいじゃん、それ!」と瞳を輝かせたのは、自身もヴィジュアル系を好んで聴いてきた千葉。とにかくカッコイイ言い回しをしたいと「強欲の〝Greed〟。欲望に忠実なバンドです」と回答するも「歌いながら食べる」は、本作にもゲスト声優としてメンバーが出演するゴールデンボンバーが既にパフォーマンス済みだったことに気づいてしまう。そこで古川の提案した「歌いながら寝る」に「寝てるだけで睡眠欲を表現できる!」と乗っかるのだが、江口の「本当に寝ているかどうかしっかりチェックするよ」という言葉にあえなくトーンダウン。続く古川が「お経のように漢字しか使わない。『我、貴様、愛(われ、きさま、あい)』『暴走天使、覚醒(ぼうそうてんし、かくせい)』と、中国語ではなく日本語の音で読む。さらに、同じメンバーで英語バージョンで歌う別ユニットも作る!」と放てば、吉田から「お寺の作法の多さに、ヴィジュアル系のルーツがあるとも言われているんですよ」と、まさかの一説が語られることとなった。江口は、千葉とはまた異なる角度から「欲望」にアプローチ。「怠惰バンドですね。それは、あくまで『楽しもうぜ!』という前向きな怠惰なんです。人生適度にサボりつつ、みんなで〝そこそこ〟のレベルを上げていけたらいいなって」。しっかり演奏してしまうと、ファンが『そんなに働かないでー!』と声を上げるそう。ライブを想像して「せめてお客さんは腕を突き上げて欲しい」と願う千葉を制した江口の「そこーっ、腕あげるんじゃねえ! 頑張るんじゃねえぇぇー!」というシャウトが会場の笑いを誘ったのだった。
「カッコ良くキメるところと、僕の心の中のツッコミ役が『おいーっ!』と叫んでしまう瞬間のバランスが絶妙で、癖になりそうです。放送時にリアルタイムでTwitter(の実況)を見るのを今から楽しみにしています!」(江口)
「完成した第1話を見て、みなさんを夢中にさせる力を持った作品だと確信しました。ご覧いただいた後に、お話したいことがたくさんあります。今はとにかく、このような映像がこれからまだまだ続いていくのかと思うと本当に楽しみです」(古川)
「本当にスタッフのみなさんお一人ひとりが、作品を魅力的にすべく魂を込めて作ってくださっていることをひしひしと感じる第1話でした。僕は、ここから『ヴィジュアルプリズン』の伝説が始まったらいいなと思っています。ちょっとだけ楽しむ準備をしていただければ、これから3ヶ月間、一緒に幸せな時間を送っていけるエンターテイメント作品だと思います。どうぞよろしくお願いいたします!」(千葉)
 いよいよ迎えた、第1話の上映。スクリーンに奏でられる音楽、そして、コロナ禍にあって発声こそ禁じられながらも、その衝撃に揺れる劇場の空気は、新たなる時代の訪れを告げる胎動そのものだった。来たる10月8日――、美しきヴァンパイアたちの集う〝紅い月〟の夜が待ち遠しい。